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フィンランドで毎年11月に開催されるテック・コミュニティのイベント「SLUSH」のアジア版が日本で開催される。その名は「SLUSH ASIA」として2015年4月24日に開催される。その「SLUSH ASIA」のスピーカーであるPatrick LlewellynがCEOを務める世界最大のグラフィックデザインマーケットプレイス99designsがある。その99designsの創業から現在までの軌跡に迫る。


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総務省によれば、クラウドソーシングとは、「不特定の人(クラウド=群衆)に業務を外部委託(アウトソーシング)するという意味の造語で、発注者がインターネット上のウェブサイトで受注者を公募し、仕事を発注することができる働き方の仕組み」のことをいう。2014年末のクラウドワークスの上場もあり、このマーケットは国内においても非常に注目されている。ちなみにクラウドソーシング市場規模は仕事依頼金額ベースで2012年時点で100億円を超、2017年度には1,474億円を超えると予想されている。 

 

日本におけるクラウドソーシングの利用はランサーズが2008年12月にサービスインしているが、同年オーストラリアでクラウドソーシングによってグラフィックデザインを発注できるサービスを提供する会社が設立された。それが「99designs」だ。99designsは2008年にオーストラリアでMatt MickiewiczとMark Harbottleの二人によって創業された。

 

14歳で作ったサービスからスピンアウト

99designsを調べていくと、驚くべきことに、実は、99designsが、当時【14歳の少年】Matt Mickiewiczによって【趣味】で作られた「SitePoint」からスピンアウトしたサービスだということがわかった。1999年、当時14歳の少年であったMatt Mickiewiczは、Webサイトの構築などを行っており、その際にWeb開発ツールやノウハウを共有するものが必要だと強く感じていた。それから2週間のうちに、趣味で作成したものが、Webサイト開発者、デザイナー、プログラマー、フリーランサー、Webサイト運営者向けにノウハウなどのコンテンツを提供する「SitePoint」であった。

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当初のビジネスモデルは広告とスポンサー収入に依存していたが、2000年のITバブル(ドットコムバブル)という時代の流れもあり、Web開発者向けにオンライン上でデジタルコンテンツを提供し、さらにそれを電子書籍として出版するデジタルコンテンツ事業へと収入源を転換させた。これにより、同社は2004年までに6冊の本を出版した。

その後、2005年、Sitepointの派生サービスをローンチすることで、より多くのユーザーに彼らのサービスを提供できると考え、デザイナーと開発者にプロジェクトをアウトソースできる「SitePoint Marketplace」をローンチする。

 

一冊の本との出会い

「SitePoint Marketplace」は、Sitepointの派生サービスという形でローンチしたものの、数字が思うようには伸びていなかった。

ある時、彼らは『The 22 Immutable Laws of Branding 』という本に出会う。『The 22 Immutable Laws of Branding』は起業家、マネージャー、PR担当者向けのマーケティングに関する本だ。

ダウンロード 彼らはこの本を読了してから、「SitePoint」という一つのブランドから二つの異なるタイプの事業を提供することはマーケティングをしていく上で大きな間違いであった、ということを確信する。

 2008年、「SitePoint Marketplace」事業部分のみを切り離して、クラウドソーシングを用いてグラフィックデザインを発注できるサービスとして「99designs」をローンチしたのだ。

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創業から3年で35億円調達

99designsは、スピンアウトした2008年の創業から3年後にあたる2011年に、Facebookなどへの投資で知られるAccel Partnersをリード投資家として、エンジェル投資家であるMichael Dearing (eBay SVP)、Dave Goldberg (Survey Monkey CEO)、Stewart Butterfield (Flickr/Tiny Speck Co-founder)、Anthony Casalena (Squarespace CEO)から3500万ドル(約35億円)を調達する。

この功績は2009年オーストラリアを拠点とする99designsへジョインし、2010年にはUSオフィスを開設し、2011年1月に同社CEOとなったPatrick Llewellyn氏によるところが大きいものと思われる。

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調達当時の99designsは、拠点がオーストラリア、サンフランシスコにあり、従業員数は26名、売上は前年比120%増加、デザイナー数は192か国で10万人、コンテスト数は7万5000個で6秒に1回コンテストが行われていた。

 

資金調達→英国へ

この資金調達をきっかけに、2012年より英語圏を中心に海外進出を本格化していく。2012年2月にはイギリスにおけるサービス成長が前年比120%増加であったことからイギリス進出し、99designs.co.ukをリリース。

 

買収→欧州へ 

同年6月には、ドイツ・ベルリンに拠点があるヨーロッパで99designsの次に大きい12designerを買収。99designsは英語のみ言語対応していたが、12designerはドイツ語・スペイン語・フランス語・イタリア語の言語に対応しており、これが事業シナジーの決め手となり、買収に踏み切った。 

その後、99designsはヨーロッパ進出を本格化していく。2012年9月にはフランスへ進出し、99designs.fr、同年11月にはドイツへ進出し、99designs.de、翌年2013年1月にはイタリアへ進出し、99designs.itをリリース。2013年3月にはスペイン語版をリリースし、スペイン、メキシコ・アルゼンチン・チリ・コロンビアへ進出し、4月にはオランダ語をリリースする。

 

シンガポールへ

2013年6月には、99designs.com.sgを引き下げ、シンガポールに進出する。また、2013年8月、99designsは、より小規模なデザインタスク向けのサービスとして「swiftly.com」をリリースする。

 

2件目の買収→ブラジルへ

その後、2014年8月、99designsは2件目の買収となるブラジルのLogoChefを買収し、ポルトガル語版99designs.com.brをリリースする。

 

今春には本社移転

2015年3月には、ウェブサイト構築サービスJimdoと戦略的業務提携を締結し、本社をサンフランシスコから対岸の東に位置するオークランドへ移転することも発表した。なお、本社移転完了は、2015年5月を予定しており、新しいオフィスの規模は1万4000スクエアフィート(1302平方メートル)であるという。

 

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オーストラリア発、かつ14歳が作ったサービスが原型となり世界に広がっていると言う非常に稀有な事例であると言えるだろう。「99designsについてもっと知りたい!」という方は、SLUSH ASIAまたは4月23日(木)11時00分〜12時30分に開催する「#99designs Meetup」(場所:渋谷TECH LAB PAAK)に行ってみてはいかがでしょうか。

 

 

 



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